藤沢弥勒寺 横尾邸

横尾明子さんがお庭の相談にみえたのは一昨年前の春でした。
10年前に横尾邸を新築なさったときに当時人気のあった枕木をふんだんに使ってお庭造りをなさってましたが、枕木が劣化したため違う素材で作りなおしたいとの意向でした。
早速現場を拝見しイメージを作り出しました。 実際枕木を使った既存のお庭はそれなりに野趣があり素敵だったので植物たちの雰囲気を壊さずにシンプルにおしゃれに仕上げたいなと考えました。


before

       
 枕木で作られた門柱は経年劣化しとてもシャビーな
雰囲気をたたえていました。
駐車場も兼ねた長いアプローチにも枕木が
敷きこまれていました。
ラフでゆるい柱が植物と合っていて
それなりに良い雰囲気でした。
アプローチの正面からバックガーデンへ向かいます。
お隣との目隠しのフェンスも必要でした。
       
枕木撤去後のゲートは横尾さんのたっての
希望でアイアンで製作しました。
アプローチは同じ素材でつくりますが
できるだけシンプルに
仕上げるため入口のゲートは
細かい飾りをふんだんに入れた
エレガントなものとしました。
枕木のポールの後はすっきりシンプルな
アイアンの柱がたちました。
同じスペースがとても広く感じますね。
原型は枕木があったころと同じですがきれいな
直線を描くアイアン
を使用したことでとてもおしゃれに変身しました。



       
植物たちは同じ場所でのびやかに育っています。
シャドウガーデンらしい葉物で変化を見せています。

 パーゴラをのせるためのポールの先端にもフィニアル(飾り)
がついています。アイアンは存感があるので
あまり主張しすぎないサイズにしました。
 劣化していた枕木は撤去しかわりに
手作り感いっぱいのレンガを
敷きこみました。以前のゆるゆる感から
かっちり感に変化しましたね。
アプローチの最後に到着するバックガーデンにもお隣からの
目隠しになるフェンスを手作りしました。
       
 このフェンスはイギリスで言うHIT & MISSという工法です。
互い違いに板材を組んでいくので隙間から風が通り、
かつ目隠しになります。
フェンスはレッドシダーの良い香りがいたします。
横尾邸のバックガーデンは10M以上の
長さがあるのでフェンスも
きっちりと横のラインがそろうように作りました。
ぴしっと決まっていて気持ちがよいですね。
フェンス間の柱はアイアンを使用。
ブラックアイアンとブルーグレイのフェンスが
きれいにおさまりました。
 こちらはおまけです。横尾邸のご主人が
作ってくださったバックガーデンのデッキへの
階段です。

横尾邸のお庭の工事は昨年の5月に始まりました。着工後もたくさんの時間をいただきプランを検討しながら作らせていただきました。 時間をかけたことは現場での結果にしっかりでており本当に仕上がりのきれいなお庭ができあがりました。横尾夫妻には1年間忍耐強くお付き合いいただき感謝してます。偶然お二人が私と同じ高校出身(ずっと後輩ですが!)だということもわかりすっかり仲良しになりました。素敵な出会いはお仕事の楽しさを倍増させてますね。 ありがとうございました。 

2013年1月 荻野洋子